皆さん、こんにちは。代表兼言語聴覚士の黒川です。
日中の気温も和らぎ、ようやく清々しい秋らしい天候となってきましたね。
さて、今回の投稿は「全国訪問歯科研究会(加藤塾)」についてです。
おそらく初めて聞いた方が多いと思いますが、20年以上前より歯科医師を中心に発足された研究会で、現在では、歯科以外にも医師、看護師、リハビリ職、介護職、施設運営者等、地域医療に係る多職種が参加する研究会となっています。
今年は9月23日(土)・24日(日)の2日間、鳥取県米子市の米子コンベンションセンターで開催され、しもむら歯科医院の下村隼人先生と一緒に参加してきました。
主宰である神奈川県の加藤武彦先生は訪問歯科治療のパイオニアであり、50年以上訪問歯科に取り組まれています。私も縁があって学生時代に加藤先生の講義を受けてとても感銘を受けてことを今でも覚えています。
下の写真は加藤先生が提唱されている「デンチャースペース義歯」です。
見慣れた義歯とはやや形が違いますよね?(歯茎の部分が長く伸びて少し大きいです)
これまでの義歯は、歯茎の真ん中に歯列を配置して義歯を作るのですが、高齢者の場合はその歯茎自体がやせてしまい、土台となる歯茎がない、または小さく内側に吸収されてしまいます。
そのような歯茎に合わせて総義歯を作成すると、義歯が落ちる、噛めない、義歯が小さくなる(口腔内容積が狭くなると発音や嚥下にも悪影響を与えます)といった不具合が生じやすく、私も臨床現場でよく遭遇します。
デンチャースペース義歯は、現在の歯茎の位置に合わせるのではなく、本来あった天然歯の位置に歯列を配置し、口の周りの筋肉で義歯を抱きかかえこむように義歯の床を伸ばして安定を図ります(辺縁封鎖)。
これまで、香川県でこのような義歯を作成していただける歯科医師に出会う機会がありませんでしたが、加藤塾の先生より下村先生を紹介していただきました。
ちょうど、私も下村先生も同時期に開業したので、それ以来在宅の場で連携をさせていただいています。
今回の研究会では、お互いの立場から在宅医療における食支援や多職種連携の取り組みについて発表しました。
これからも人とのご縁を大切にして、地域の方々に貢献していかねば!とパワーを頂いた2日間でした。