こんにちは

言語聴覚士の梅田です。

 

今回のブログは大人気企画⁉ 私が最近読んだ本の紹介を行います。

『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』 著者:川内有緒

【本の概要】

全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと、著者、友人の佐藤さんは、日本全国の美術館を巡り、作品を前にして会話をします。

白鳥さんはアテンドの言葉を介して、美術作品を「耳」で見ます。

 

白鳥さんとアートを見ていると、目の解像度が上がり、対話が生まれます。白鳥さんにアートを伝えているようで見せてもらっているのは自分たちかもしれないという感覚になります。

 

白鳥さんは美術がすきなのではなく、自分の実在を確かめるための手段としての美術館が好きなのです。

 

【作中の素敵な一節】

幸せを感じたその時間を、その先も信じていけるのかー

人生は、荒野だ。

輝く満月が闇を照らしてくれる日もあれば、放置自転車とか路上に溜まった泥水とかに足をすくわれ、びしょ濡れになって石ころを蹴飛ばしたくなる日もある。

幸せの絶頂にいるときは、ライフ・イズ・ワンダフル!なんて思うわけだけど、ワンダフルって大体長く続かない。後に残った現実はうんざりすることの連続で、特にドアをバンと閉めきって、毛布をかぶって寝てしまいたくなる。

それでもー。それでもわたしは、この先もドアを開け、路上に出るだろう。そして、足元に広がる泥水を見つめ、そこから幸せな記憶を拾い出し、いま手にしているものは、路上の石ころなんかじゃないと信じるだろう。

人は「時」と言うものに抗うことはできないけれど「時」を宝物にすることができるから。

 

本って本当にいいですね(^^♪

さようなら。さようなら。さようなら。